スキンシップが子どもの脳と心を育てる!(2019.08.26)

スキンシップが子どもの脳と心を育てる!(2019.08.26) 妊活・不妊

スキンシップが子どもの脳と心を育てる! 桜美林大学教授 山口 創氏

私が毎月愛読している”月刊 致知”から別冊「母」子育てのための人間学が発刊されました。
この中に載っていた記事をご紹介させて頂きます。

「添い寝やおんぶ、抱っこや肩車など親と子が直接触れ合うスキンシップの教育効果が、いま最新の科学によって見直されています。
例えば、幼児期に母親から添い寝などを通じて肌にたくさん触れられて育った子どもは成長してからも情緒が安定しており、社交性が高く、他人を攻撃する傾向も低い。
反対に母親とのスキンシップが少なかった子どもは、人間不信や自閉的傾向が高く、自尊感情も低いことが分かりました。
それには、肌に触れた際に脳内に分泌される「オキシトシン」というホルモンが関係。

ー親子の触れ合いが子どもの人生の基礎を築くー
このオキシトシンの分泌量は、脳が最も発達する1才前後にほぼ決まってきます。
オキシトシンの最も分泌される1才前後までに意識して子どもと触れあうことが大切です。
この時期の親子の蜜な触れ合いが子どもの脳と心を育み、後の人生を支える「一生の宝」になっていくのです。

ー親子のスキンシップは子どもの健康をも左右するー
例えば、他人とのコミニュケーションが上手く取れない自閉スペクトラム症(ASD)の一部の子どもには、脳内でオキシトシンが十分に作られていないことが研究で明らかに。さらに近年の研究では、乳児期にスキンシップが不足していた子どもは、代謝系と免疫系を司る遺伝子の働きが悪いことが明らかになりました。

ー子育てには母親と父親、両方の関わりが必要ー
母親のスキンシップには、子どものストレスを和らげたり、情緒を安定させたりする効果がありあます。その一方で父親によるスキンシップでは、子どもの「社会性」などを育てる効果があるのです。母親は授乳やおむつ交換など子どもの日常の世話を通じてスキンシップが多いのですが、父親の場合は「高い高い」や「肩車」といった遊びを通じたスキンシップが多くなります。
例えば、「肩車」では子どもは父親と同じ目線で世界を眺め、父親の体とともに同じ空間を移動するため、共感的に物事を把握する能力が育つ。

ーとても大切なのは一日一回子どもをぎゅーっと抱きしめてあげることー
ただ、スキンシップの効果はその子の性格によって異なるので配慮が必要です。
私には二人の子どもがいますが、長女は抱っこをするなど直接肌が触れ合うスキンシップは苦手で、くすぐる遊びのような形のスキンシップを受け入れてくれました。
次女は、逆に直接肌が触れ合うスキンシップを好みました。
親の押し付けではなく、あくまで子どもの反応を見ながらスキンシップを行いましょう。

ー子どもは肌を通じて愛されていることを実感するー
「愛しているよ」と百回伝えるより、何も言わずに我が子を優しくぎゅーっと抱きしめることを大切にして欲しい。子どもは何よりも肌を通じて愛されていることを実感し、世の中を生き抜く力を身に付けていくのですから。」

toshimori